2014/07/19

モネの睡蓮

パリのオランジュリー美術館には、4枚のモネの睡蓮が四方を楕円形に囲む部屋が、二つある。

睡蓮の前に座ってぼーっと眺めていると、その風景の中に没入し、美しい水辺に佇んでいるかのような幻想を体験できる。水に浮かぶ睡蓮、水面に映る陽光や雲や木々の緑、そして水底で揺らぐ水草という、三つの次元が重なりあった情景は、穏やかで美しく、どこか懐かしい。その立体的で鮮明な感覚は、写真や録画映像では決して得られないし、夢とうつつの狭間のような幻影には、実際に池のほとりに座るのとは違った心地よさがある。

印象派は、写実主義から離れて被写体を敢えて抽象化して描くことによって、むしろよりヴィヴィッドで豊かな情景表現を可能にした最初の流派なのだと思うが、モネの睡蓮ほどにその技法の特長が遺憾なく活かされた絵画は他に見たことがない。

86年の生涯を通じて印象派の技法にこだわった偉人による晩年の遺作からは、一瞬の閃きではなく、蓄積された営為の先でしか到達できない境地のようなものが感じられた。

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撮影禁止なので、写真はWikipediaから



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2014/06/19

スコットランドの森と古城

風景が美しい国と言って思い浮かぶ国(地域)の一つ、スコットランド。緑の森と草原が続く大地と、その中に佇む古城がどこまでも美しい。

滞在中はご多分に漏れず曇りか雨が多かった。南仏やイタリアの海岸などを訪れて雨に降られるとだいぶ残念な気分になるが、スコットランドは雨の日も、否、雨の日こそ美しい。

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ドライブしていて、手付かずの自然以外に目に入るのは、ひたすら牧草地とそこで生きる羊や牛。畑はほとんど見られない。

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B&Bで出てくる朝食はいわゆるイングリッシュ・ブレックファーストで、ベーコンやソーセージなどの肉とパンが中心。あと豆とマッシュルーム。野菜はトマトだけ。

改めて、イギリス人は野菜を食わないんだろうかと思って調べてみると、一人あたり年間野菜消費量(2009年)は89kgと、対象64カ国の平均(? 132kg)を大幅に下回る(HelgiLibrary)。しかし欧州の農業大国フランスも93kgと大して変わらないのは意外。ちなみに日本は102kgで、やはり全体を下回っている。

その少ない消費量でもイギリスの野菜自給率は6割弱。やはり土壌が野菜の栽培にはあまり適していないのだろうか。ちなみに小麦の増産で全体の食料自給率は急回復したことが有名


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2014/06/02

ケニア旅行③:マサイマラで会える動物たち~その二

ディクディク/ Dik Dik
大きな瞳がかわいい。たいてい、茂みの中に隠れている。逃げる時にディクディク鳴くのだとか。
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トムソンガゼル/ Thomson's Gazelle
チータの次に足が速い動物で、軽やかに草原を疾走する姿はとても美しい。草を食む間、尻尾を左右にフリフリしている。通り過ぎるサファリカーをつぶらな瞳でじっと見つめて目で追ってくるのも、愛らしい。
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トピ/ Topi
足の配色からblue jeans yellow soxとも呼ばれる。目がとてもよく、岩に乗って遠くをよく見ている。
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ヌー/ Wildbeest/ Gnu
大群は今はセレンゲティの方に移動しているはずだが、マサイマラでも千頭以上はいそうな群れに出くわした。「ヌーヌー」鳴くからヌー。
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ブチハイエナ/ Spot Hyena
ヌーの群れの中をうろつき、時々追い払われながら執拗に子供のヌーを狙ってた。このしつこさがなんともハイエナらしい。
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セグロジャッカル/ Black-backed Jackal
ハイエナ同様、死肉をあさったり他の動物が狩った獲物を奪ったりする。
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↓動物の死骸にハイエナ、ジャッカル、コンドルが続々と群がり、取り合いをしている。
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ライオン/ Lion
2日目の夕方にようやく出会えた。産まれて1~2ヶ月くらいの赤ちゃんライオンたちがかわいい。昼間は基本的にゴロゴロ寝ている。
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この群れを率いているのはおそらくまだタテガミが生えそろってない若いオス。ひどいかっこうで寝てます。。
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別の場所で見つけたオス。足が傷だらけ。群れを追い出されたか、乗っ取りに失敗したのだろうか。。
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こちらは立派なオス。風格充分。
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2014/06/02

ケニア旅行②:マサイマラで会える動物たち~その一

マサイマラでは早朝と夕方の2回、ジープで動物を見に行き、あとはリゾートホテルでくつろぐか、マサイ村訪問などのオプショナルツアーに参加するというのがスタンダードな過ごし方。動物園で人気の動物が、だいたい見られる。

シマウマ/ Zebra
そこらじゅうにいるけど、しま模様はやっぱり美しい。
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このしま模様の理由には諸説ある(群れになると肉食獣の目を惑わす効果がある等)が、個人的にはこの人の説明が一番しっくりくる。それは発想を転換するもので、生存に有利だからシマウマがしま模様を発達させたと考えるのではなく、逆に他の多くの生物が白と黒を均一に混ぜ合わせた茶色を保護色となるように発達させたのに対し、シマウマはその機能を必要としなくなった、という説である。
シマウマはどう見てもサバンナで目立つし、他の草食動物がほとんど茶系なのにシマウマだけがあの模様で草原に紛れるというのは無理があり、あの縞模様は肉食獣からの保護とは関係ないように思う。しま模様は人間の指紋と同様に一つ一つの個体で異なっており、親子が群れの中で互いを識別するのにも役立っているとのこと。


マサイキリン/ Masai Giraffe
ナイロビから降り立った飛行場の近くにいきなりいた。身体の斑点がギザギザ模様なのがこのマサイキリンの特徴。ゆっくりのっそり歩いている。強烈なキックは一撃でライオンに致命傷を与えることも。
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カバ/ Hippopotamus
宿泊したロッジから見えるマラリバーに80頭くらいの群れをなしていた。夜に陸に上がって大量の草を食べるが、昼間はだいたい水辺でゴロゴロ寝ている。見かけによらず凶暴な性格で、人間を殺す獣害が最も多い動物としても有名。
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アフリカゾウ/ African Elephant
とても賢い動物で、仲間が死ぬとその亡骸を葉っぱで隠して集団で葬式のような仕草をすることでも有名。数年後もその場所を覚えていて、通ると立ち止まるのだとか。
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イボイノシシ/ Warthog
対照的に、間抜けな動物として紹介されていたカワイソウなヤツ。記憶力が悪く、逃げてきた道をもう一度通って肉食獣に捕まってしまうこともしばしばとか。首が短いため、前足をお行儀よく折りたたんで草を食む。ちょこまかと足を動かして歩く姿もかわいい。
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ハイラックス/ Hyrax
ロッジの敷地内でも見られる愛らしい動物。赤ちゃんを連れて散歩中。分類学的にはゾウの近縁なのだとか。
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2014/06/02

ケニア旅行①:治安と情勢

ナイロビは以前から強盗などの凶悪犯罪が多く、旅行者の間でも「世界で二番目に治安が悪い街」として悪名高かったが、近年はナイロビ市内や国境付近でのテロが頻発するようになった。特に2013年に起きたウェストゲートショッピングモール襲撃事件は67人が死亡、175人が負傷するという衝撃的なものだったが、今年5月に入ってからも、3日にモンバサ、4日と16日にナイロビで、爆弾テロ事件が相次ぎ、イギリス系の旅行会社がモンバサ方面に居た400人もの旅行者を退避させる事態となっていた。ナイロビ市内は危険がいっぱいなので、ほとんど出歩くつもりはなかったのだが、ムンバイのテロ事件のようにホテルが襲われた例もあるし、空港が標的にならないとも限らない。テロの影響で観光収入が激減するとの報道もあり、ケニア経済に効果的に打撃を与える目的で外国人をテロの標的にするかもしれない。無事に帰って来られてよかったが、本当に行くべきかは直前まで結構迷った。

ケニアで実行されるテロのほとんどを首謀しているのはソマリアのイスラム系武装勢力、アルシャバーブとされる。ソマリアは過去20年以上内戦が続き、政府がまともに機能していない。2007年頃に一旦、暫定政府がイスラム過激派を押さえ込んで治安を回復しかけたが、過激派の残党(主に若者)を中心に組織されたアルシャバーブが2008年頃から勢力を拡大し、主要都市を武力で制圧していった。
ケニアやエチオピアはキリスト教徒が多く、隣国でイスラム過激派の武装勢力が伸長することは看過できない。両国は、アルシャバーブ相手に苦戦を強いられているソマリアの暫定政府と連携し、アルシャバーブがケニア国内で活動する「国境無き医師団」のスペイン人スタッフを誘拐したことを契機に、2011年10月、ケニア軍がソマリア領内に侵攻して首都モガディシュ周辺などからアルシャバーブの勢力を撃退した。その報復として、アルシャバーブはケニア国内でのテロを繰り返すようになったのである。

当たり前だけど、来てみると現地の人は普通に生活を営んでいるし旅行者もたくさんいるのを見て、少し安心する。ホテルにはちゃんとゲートがあり、目つきの鋭いガードマンが車の裏もミラーで調べている。マサイマラは旅行者とマサイ族しかいないので、安全そのものだった。イギリス人にほとんど会わなかったのは、ニュースの通りテロを恐れて予定を変えた人が多かったのかもしれない。
ちなみにマサイマラにはアメリカ人観光客が本当に多かった。これまでアジアやヨーロッパを旅行していてもアメリカ人はそれほど見かけなかったが、アフリカに来てたのか。

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朝焼けに染まるナイロビ市内
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