2009/01/25

MOMAに行ってきました

今日はMOMA(Museum Of Modern Arts:ニューヨーク近代美術館)に行ってきました。

MOMAは6年前に一度行ったことがあるのですが、その時は改装中で、近郊のQueensにできた仮設展だったので、本館に行くのは初めてです。

モネの「Reflections of Clouds on the Water-Lily Pond」という絵が本当に美しくて、ぼーっと見入ってしまった。モネはもともと割と好きな画家(というほど知らないが)だが、タテ2m×ヨコ13mの、この大作には、圧倒的に迫ってくるというか、吸い込まれるような、これまで見たことの無い壮大な美しさがあった。

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モネが80歳のときに書いた大作。心底、水が描きたかったんだなぁ。
一応写真載せてみましたが、やはり写真ではいまいちですね。MOMAのページにも写真が載ってますが、こうして見てしまうとなんかぼやっとしてあんまり美しくない。でもこれが、8mくらい離れて見ると、ほんとに幻想的な美しさなのです。


ほかに印象に残った作品

Robert Delaunay
Simultaneous Contrasts: Sun and Moon.
Paris 1913 (dated on painting 1912).
Oil on canvas,
53" (134.5 cm) in diameter.
1_1954_CCCR.jpg

実物はもっと明るくて動きのある印象でした。右側の太陽と左側の月が動と静の対照を生んでいて、力のある絵です。


Mark Rothko
No. 10
1950
Oil on canvas
229.2 x 146.4 cm (90 1/4 x 57 5/8)
48.jpg
ぼわーっと美しい。心地よい感じ


Jackson Pollock
One: Number 31, 1950
Oil and enamel on unprimed canvas, 8' 10" x 17' 5 5/8" (269.5 x 530.8 cm)
pollock-number-31.jpg
もはやコメント不能。なんかすごく力強い。
音声ガイドが、「『これなら自分にも描けるよ』と思った人もいるでしょう。でもよく見て下さい...」って言ってたのがちょっとウケた。
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2009/01/21

オバマ大統領の就任演説-民主主義という理想

美しい就任演説だった。

アメリカは未曾有の正念場を向かえているが、建国の精神に立ち返り、国民一人ひとりが未来を信じて頑張れば、アメリカは数々の課題を解決し、再び世界をリードする国になれる。そんなメッセージだった。

「アメリカの国力の減退は避けられないという懸念」を現実のものとして認めつつ(これをこんなに正面から認めた就任演説があっただろうか)、それに立ち向かう勇気を鼓舞する。我々、そして我々の祖先がこれまでも苦難を乗り越えてきた、だから我々もできるはずだ、と。過去の演説 ― 「黒人も白人も、リベラルも保守もなく、ただUnited States of Americaがあるのみ」や「Yes We Can」というキャッチフレーズなど ― にみられた、ある種の「軽さ」はなくなり、地に足をつけた覚悟が伝わってくる。

これだけの多くの難題に直面しながら、アメリカの空気は明るい。逆境をパワーに変えられる政治のリーダーシップが、少しうらやましくも思える。この国には、国民が政治を信頼し、政治家も国民を信じるという、信頼関係が感じられる。だから、格調高いまっすぐな演説が出てくるし、それが人々の心を打つ。

翻って日本は、政権交代前夜と言われているのに、高揚感がまるでない。むしろオバマの方が注目されているくらいではないだろうか。自国の政権交代よりも外国のそれに期待するほど、日本の政治は国民から見放されてしまった。
国民は政治を信頼していないし、政府・政治家も国民の判断力を信頼していない。政府は、国民は結局要求するばかりで義務を引き受ける気が無いと思っている。国民は、負担を国民に押し付ける前に権力者が襟を正すのが先だと思っている。そこにすれ違いがあり、かみ合わないことが分かっているから、政治家は問題の本質を語らない。だから腰が引けていて、何を言ってもどこか白々しい。少子高齢化、財政赤字、雇用のあり方、変化する国際情勢等、様々な課題が指摘されて久しいが、相互不信が本質的な議論を妨げ、場当たり的な対処に奔走するうちに時間が空費されていく。

もちろんアメリカにも汚職などの問題はたくさんある。個々の政治家、あるいは「政治家一般」へのは信頼は、日本よりは高いと思うが、絶対ではない。日本と決定的に違うのは、「民主主義」という理想に対する強固な信念があることだ。
日本にはこれがない。誰がやっても、何が起こっても、政治が世の中をよくできるとは思えない。政治が問題を解決するどころか、政治こそが問題なのだ。政治などには何も期待できない。そんな諦観がある。

アメリカは、人工的な国家だ。国家は昔からそこにあったのではなく、何も無いところに作りあげ、戦争を通じて独立を勝ち取ったものだ。1776年に産声をあげたアメリカ合衆国は、世界中どこでも君主と貴族が偉かった時代にあって、世界で唯一、自由な市民が自分達の手で作り上げた、真に革命的な国家だった(インディアンと黒人奴隷の多大な犠牲を踏み台にしていたが)。
そしていつ分裂・瓦解するとも知れない人造国家だったからこそ、アメリカは常にこの「自由で民主的な理想の国」という理念を確認し、その旗印の下に国民を束ねてきた。だからアメリカには、政治とは、国家とは、市民とは、民主主義とは何か、ということに関する、強固な信念、あるいは「信仰」がある。

やや話はそれるが、アメリカ人は、世界的にも異例なほどに、国旗と国歌を愛する人々である。街のいたるところで、政府の建物などではなく普通の会社のビルに星条旗がはためき、大きなイベントでは必ず国歌が流れる。

それは、アメリカという国を作り、支えてきたというプライドに裏打ちされているのだと思う。アメリカ人にとっての愛国心は、「自分が生まれた、何となく一番居心地のいい国」という程度の感覚ではない。それは、「世界で最も素晴らしい自由な社会、世界の自由を護る大国たるアメリカ合衆国。その国づくりの一翼を自分も担ってきた」という自負なのである。その思いとそれを支える理念を、独立戦争、南北戦争をはじめとする多くのチャレンジを通じて陶冶し、それを、選挙や記念式典などの様々な場で繰り返し語り、国民自身が自らの記憶に刻んできた。

個々に見れば、インディアンの迫害や、奴隷制と人種差別、ベトナム戦争、イラク戦争など、いまや多くの国民が誤りだと思っていることも行ってきた。しかし政治や社会の過ちを正すのもまた民主主義である。過ちを正してきたことは、誰に強制されたわけでもなく、民主主義のストラグルを通じてアメリカ国民一人ひとりが達成した成果である。だから民主主義が生きている限り、今度の危機もきっと乗り越えられる。それを信じて社会にコミットすることが、アメリカ市民の義務であり誇りなのだ。

外国人である私達から見ればだいぶ勘違いな面もあるが、民主主義へのこうした信頼・信仰があるからこその、国旗・国歌への愛着なのだと思う。

日本では最近も、国旗掲揚・国歌斉唱の強制が時々話題になるが、こうした表面的な行動を強制しても愛国心が育まれないのは当然だろう。愛国心の礎は政治と国民との信頼であり、国民の政治への参加意識なのだと思う。これについて日本がアメリカをマネすべきだとは思わないが。

最近日本では過度なアメリカ追従を戒める論調が主流のようだが、もとより日本とアメリカは国家の成り立ちや社会の構造など、何から何まで正反対と言っていいくらい全く違うと思う。アメリカのこの政治風土は、人造国家に特有の、世界でもかなり異例のものだ。だからアメリカはあまり参考にならないし、何かを接木するときはよほど慎重にやらなければならないと思う。日本は日本の道を見つけなければならない。

そのためには一体どこから手をつけたらいいのか、分からないし、きっと道のりは長いと思うが、自分はその課題に取り組みたくて、この道を選んだのだということを、改めて思い出した。
日本人として、がんばろう。


(参考)
スピーチ全文:http://www.cnn.com/2009/POLITICS/01/20/obama.politics/index.html
スピーチ映像:http://www.cnn.com/2009/POLITICS/01/20/obama.politics/index.html#cnnSTCVideo

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写真:ニューヨーク五番街にひるがえる多数の星条旗(2009年1月。何でも無い平日です)

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2009/01/18

Hero好きなアメリカ人

いろんな国の国民性をネタにしたジョークに、こんなのがある。

ある沈みかけた船の上で、乗客の男たちに、船長が海に飛び込むように指示した。そのとき船長は、いろんな国の乗客を、それぞれこう言って説得した。

アメリカ人には、「飛び込んだらあなたは英雄ですよ」
イギリス人には、「飛び込んだらあなたは紳士ですよ」
イタリア人には、「飛び込んだら女性にもてますよ」
ドイツ人には、「飛び込むことが規則になっています」
フランス人には、「飛び込まないでください」
日本人には、「みんな飛び込んでますよ」


各国ともに特徴をよく捉えていて面白い。それにしても、アメリカ人ってのはヒーローが大好きな人々だなぁ、とつくづく思う。正月に、Independence Dayという一昔前のB級ハリウッド映画を観てしまったのだが、観ていて恥ずかしくなるようなコテコテのヒーロー映画で、宇宙人と戦うために、湾岸戦争の英雄だった現職アメリカ大統領が、何と自ら戦闘機に乗って出撃するシーンなど、苦笑するしかない。

また、先日街を歩いていたら、途上国の子供に仕送りをするNGOの人に呼び止められ、少し寄付をしたんですが、ちょっと迷っていたらスタッフが何人か集まってきて、「You are a hero!!」と連呼されたのは、なかなか新鮮だった。いや~アメリカではほんとにこうやって口説くんだな、と。

でも振り返ってみると、そう言えば、日本では生保の勧誘とか何かのセールスとか、「みんなやってますよ」って説得されることが多い気もするなぁ。


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写真は関係ないけど、ロックフェラーセンターのクリスマスツリー
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2009/01/16

マイナス20度

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今、仕事でカナダの首都オタワに来ています。

実は生まれた街でもありますが、6ヶ月しかいなかったので、その頃の記憶は全くない。今年の夏に30年ぶりに訪れてから、半年ぶりにまたやってきました。のどかで大好きな街です。

しかし冬のオタワは極寒の地であります。とにかく寒い。今日の最高気温、マイナス20度です。「最高」気温がです。。。オーマイゴッドな寒さである(ちなみに最低はマイナス29度)。外に出て空気を吸うと肺が冷えて少し咳き込んでしまう。ユニクロのヒートテックタイツの上に厚手のスーツ、その上に膝下までのダウンコートで武装してるのに、5秒歩くと足が寒くなってくる。まあでもこの寒さも少しだけ経験するのは楽しい。

ところでカナダ人って穏やかでいい人が多いです。アメリカ人ほどガツガツしてないし、ヨーロッパ人みたいに変にプライド高いところもない。でもアジア人みたいに引っ込み思案でなくて、とてもフレンドリーな人々。店員さんもフレンドリー。
NYのスーパーとかで買い物すると、ぶん殴りたくなるほど無礼な店員に当たることがしばしばですが(もう慣れたけど)、それと比べるとここは天国であります。

驚いたのは、意外と飯がうまいこと。たまたま入ったところが当たりだったのかもしれませんが、初日の夜に行ったインドレストランは、これまで食べた中で一番旨いインドカレーだった。滞在先のホテルで食べた魚料理も絶品だったし。

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