2010/07/12

参議院の存在意義 - 多すぎる選挙とねじれの弊害

参議院選挙で与党が過半数割れとなり、国会は「ねじれ」を抱えることが決定的となった。

日本国憲法が抱える最大の致命的欠陥が、顕在化しつつある。欠陥とは、強すぎる参議院・多すぎる選挙である。

これに関しては、去年の衆院選後にも書いたので、抜粋しておこう。

数年以内に参議院改革論議が本格化する

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来年の参院選後、・・・参議院の抜本改革が政治改革の最重要課題の一つとして浮上してくるだろうと予想できる。今の参議院は、二大政党制のもとでは「ねじれ」を日常化させるからである。

・・・来年の参院選でもしも自公が勝てば、国会は「ねじれ」になる。しかも衆議院での議席は、・・・再議決に必要な3分の2に達しない。3分の2を握っていた自公政権でさえ、「ねじれ」の下での国会運営は至難だったことは、福田・麻生両政権の経験が教えてくれている。民主党政権の改革モメンタムは急速に衰えるだろう。

・・・民主党が勝てば、・・・政権は安定する。しかしその後はどうか。更にその先はどうか。「ねじれ」の懸念は永遠になくならない。衆院と参院の任期は、ずれており、双方の選挙の間に移り気な有権者の支持が動くことは、いつでも起こりえるからだ。

そうなると、そもそもこの「ねじれ」というものを引き起こす二院制とは何なのか、という議論が必ず起こる。そして、第二院である参議院の存在意義がチャレンジされることになる。

実は日本の参議院は、諸外国と比較しても権限が強い。同じ議院内閣制でも、イギリスの上院は反対しても審議を多少引き延ばすだけで結局下院の議決が通るし、ドイツでは連邦議院の賛同が必要とされる法律は限定されている。全ての法律に参議院の議決(又は衆院での3分の2の再議決)を必要とする日本の二院制は、実は例外的なのである。ちなみにアメリカも上下両院の議決が必要だが、アメリカは党議拘束が無く、法案ごとに賛否が変わるので、与野党に分かれてスタック、という事態は起こらない。
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(後略)

(2009年9月2日)



それだけの重要性を持つ参議院選挙が、3年に1回ある。衆議院選挙は少なくとも4年に1回ある。ということは政権の枠組みを根本的に左右しかねない国政選挙が、12年に少なくとも7回ある計算になる。政治家は選挙の半年~1年前は、選挙のことしか考えなくなる。それはある程度仕方のないことである。2年弱に1回選挙があるということは、政治家はだいたい半分くらいの期間は選挙のことばかり考えているということだ。これでは、長期的な視点に立った政策など、作れるはずがない。

参議院は、廃止するか権限を大幅に弱めるなどの根本的な改革を必要としている。
これには憲法改正が必要で、衆議院の3分の2と参議院自体の同意が必要なので、とんでもなく難しい。それでも参議院の意義を、真剣に問い直すべきだ。でないと日本の政治は選挙に振り回され続け、永遠に迷走を続けるような気がしてならない。

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