2012/10/21

In Bruges ヒットマンズ・レクイエム

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昔、飛行機の中で見た映画が気になって、DVDを探しあてて見た。ベルギーのとても美しい古都、Brugesを舞台にしたイギリスの映画で、ストーリーはなかなかシリアスな悩める殺し屋の話だが、イギリスらしいシニカルでさりげないギャグが随所に散りばめられており、一応コメディということになっている。
そうしたギャグが、哀しい基調のストーリーと見事に調和して愛すべきキャラを際立たせており、3人の役者も実にいい味を出している。加えてブルージュの街並みは風情があり、儚げな音楽と相まって舞台を美しく演出している。
万人受けはしないかもしれないが、個人的にはこの感性とまとめ方は素晴らしいと思う。なかなかない傑作です。

このように↓下品な言葉が満載で、台本を検索してみたらfxxkingという言葉が110回も出てきた。




舞台に、ベルギーというマイナーな国にある、ブルージュという真に美しいがやはりマイナーな街を選んだところが実にセンスがいい。ベネツィアや南仏のようにメジャーな観光地ではこの話は成り立たない。スイスやオランダでもまだメジャーすぎる。ポーランドのように悲惨すぎる歴史を連想させる国もよくないし、プラハやドブロヴニクのような東欧圏の街も同様の観点から何か違う。北欧もいいけどヨーロッパの中心からちょっと遠すぎる感じがする。ベルギーという、豊かで平和で近くて程よくマイナーな国がちょうどいい(行ったことないけど)。



上のシーン、ベルギーのブルージュに行かなければならないと言う坊主頭の旦那に奥さんが“Why would anybody have to go to Belgium?”と尋ねる。「なぜあなたはベルギーなんかに行かなきゃいけないの?」と言ってもよい場面で、「anybody」と口をついて出た奥さんの無意識なベルギー蔑視も、この映画に通底するブラックユーモアのさりげない一表現。

個人的に最も好きなのは、KenとHarryがビール飲みながら口論するシーン。噛み合わない会話に苛立つHarry役のRalph Finnesの表情が最高にいい。“I'm suicidal. You're suicidal. Everybody is fucking suicidal.”は実に名言である。


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