2017/07/04

【映画】 Imitation Game




【ネタバレあり】

ナチスの暗号解読に取り組んだ数学者Alan Turingの伝記物(映画とは関係ないが、生物の体表の模様に関する業績もある)。評価が高いようなので観てみたが、やや微妙な作品だった。こうした映画に、史実と異なる脚色が入ってくるのは常だが、ストーリーの山場にどう考えても不自然過ぎるところがあり、今一つ楽しめなかった。

①映画の終盤でTuringは、頻繁に使用される特定の単語に注目することで解読の効率を上げるアイディアを、パブでのふとした会話の中から突然閃き、その晩のうちに解読に成功したように描かれているのだが、そんなのは誰でも最初に思いつきそうな発想である。実際、Turingは最初から、この使用頻度の高い用語の組み合わせに注目して、解読速度を高めることに注力したようである(映画の中で彼が独自に開発・設計・製作したことになっている機械は、実際にはTuringの赴任前に別の学者が既に一度完成させていた)。
勿論、難解な数学を理解しなくても視聴者が興奮できるドラマを用意する必要があったのはわかるが、パブで閃いて作業部屋に走るシーンを観ながら、「今更そこですか」と感じざるを得なかった。もう少し何とかならなかったものか。

②全ての暗号を解読したチームは、解読に成功したことをドイツに悟られないように、情報を抑制的に利用する必要があり、その最初の決断をTuringが下したように描かれている(その後、MI6のStewart Menziesに報告して判断を委ねることにはなるが、どの情報を利用してどれを無視するかの判断にも、Turingが関与したことになっている)。しかし、戦況の全体像を把握しているわけでもない素人集団が、国民の生死に関わる機密情報を誰にも報告せずに独自の判断で握りつぶし、数百人の国民を見殺しにするような決断をするようなことは、あまりにも現実離れしているし、その後の情報利用に関与し続けるというのも非現実だ。

いずれも、映画を盛り上げるためにありがちな演出ではあるが、ストーリーがチープになってしまった印象は否めない。

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