2017/10/11

【読書】 孫正義300年王国への野望 杉本貴司





この種のドキュメンタリーは色々読んだが(ソフトバンクに関しては読んだことがなかったが)、この本は掛け値無しに最高に面白かった。

特に創業期の苦労話、孫氏が慢性肝炎に侵されて余命5年程度と宣告されていたこと、その闘病中に会社を任せた社長(大森康彦氏)と対立して彼を追い出したこと、「天才」西和彦との抗争、Yahoo BBの立ち上げ期の奮闘など、非常に興味深く読んだ。

孫氏は常に毀誉褒貶の激しい人だったが、震災後に再生エネの振興策の旗を振った際に「政商」と盛んに喧伝されたのを最後に、あまり攻撃されなくなった気がする(あの頃彼が推し進めた太陽光普及策は、今でもどうかと思うが)。批判を封じ込めたのは、万年3位と思われた携帯電話事業の躍進、SprintやARMの買収、当選直後のトランプとの会談、サウジとの10兆円ファンドなど、常人には思いもつかない発想を現実のものとしてきた圧倒的な実績だろう。かつて彼を批判していた人たちからすると、「随分遠くに行ってしまったなぁ」という感覚なのではないだろうか。相手を理解できて初めて批判ができるが、何を考え、誰と交流しているのかも想像付かなくなってしまうと、もはや敵やライバルではなく、雲上人になってしまう。

そんな孫氏にも、人間味あふれる側面を知ることができるのも、本書のよいところだ。1人の人間に、裸一貫からあそこまで大きなことができるのか、と慨嘆してしまう。

そしてその秘訣は、(当たり前だが)人を巻き込んで動員する力にあるのだと、改めて実感。大事を成し遂げる人は、須らく人たらしだ。 それは彼の天性の愛嬌によるところもあるのだろうが、やはり真っ直ぐなビジョンに説得力があったことが全ての起点だったのだろう。

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