2009/08/31

統治機構を考える(その5のおまけ):族議員と官僚の癒着

「その5」のおまけに、今日の読売の記事を添付します。

「族議員、もう守ってくれない」困惑の官僚

 民主党が新政権に向けて動き始めた31日は、国の各省庁が、来年度予算の「概算要求」を財務省に提出する締め切りと重なった。

 予算の大幅な組み替えを主張する同党が衆院選で大勝したという現実を前に、官僚たちの間には「新しい大臣は、どんな指示を出すのか」と動揺が広がっている。

 「これまでは大臣から何か言われても、自民党の族議員の先生が守ってくれた。でも、もはや通用しない」

 2兆9480億円の概算要求を提出した農林水産省。あるキャリア官僚は「マスコミが民主党の圧勝を予測していたので、選挙結果にはそれほど驚かなかった」と冷静を装いながらも、「どのような影響が出るのか、わからない部分がある」と不安を口にした。

 例年なら、概算要求の提出前に、自民党農水族に説明して「お墨付き」をもらうのが慣例だったという同省。それが今年は議員が皆、衆院選準備で地元に帰ってしまい、事前の根回し抜きの予算要求になった。ある幹部は「これから自民党に説明していいのかどうかもわからない」と困り果てた表情。

 概算要求を巡っては、民主党の圧勝が決まった直後のテレビ番組で、同党の菅直人代表代行が31日の要求の提出に触れ、「(各省庁が)『今さら変えるのには時間が足りません』と言ってくるのは目に見えている」と話した。

 財務省は当初、31日午前には、写真撮影のため報道機関に概算要求の様子を公開する予定だったが、この菅代行の発言を受けて急きょ中止に。例年、予算査定作業がスタートする31日に開いている主計官会議も取りやめになった。

 国土交通省も6兆9506億円もの概算要求資料の端々に配慮をにじませた。

 その一つが、国の公共事業費の一部を地方自治体が負担する「直轄事業負担金」。同党はマニフェストで廃止を訴えているが、同省は要求に「直轄事業等に関する検討」という項目を盛り込み、「今後、必要な検討を行い、適切に対応していくこととする」との一文を加えた。

 しかしダムなどの公共事業については従来通り要求しており、ある幹部は「今のままじゃいけないが、政権が決まらないと、どう変えられるかわからないので」と玉虫色の表現を解説した。

(2009年8月31日17時41分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090831-OYT1T01025.htm



大臣が何かを変えようとする、例えばある課の予算を減らそうとすると、その課の役人としては、権限も小さくなるし仕事の面白みもなくなるし内部的な評価も下がるので困ってしまう(そこに国民の血税という視点があれば、本当は困るばかりではないはずなのだが。。)。しかしかと言って、官僚が自らの上司である大臣に真っ向から逆らうわけにはいかないのです。

そこで、自民党の族議員に働きかけて、「予算を減らすな」と言ってもらうわけです。有力族議員は大臣より政治キャリアも党内の立場も上だったりする。また、族議員が表立って反対し出すと、大臣は「党内をまとめ切れないヤツ」という目で見られたりするし、メディアもそういう扱いで面白がって書く。そうなると大臣は立場が弱くなってしまうので、よほど腹を据えて闘うのでなければ、腰砕けになってしまうというわけです。

官僚は、(多くの場合)族議員とセットになってはじめて強力な抵抗勢力となるのです。だから官僚組織の旧弊を打破するには、与党・内閣の一元化が大事なのです。
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