2009/09/09

閣内と閣外では大違い

党首級協議を閣内で、民主が枠組み 福島・亀井氏入閣の方向 
NIKKEI NET

 民主党は7日、鳩山由紀夫代表、小沢一郎代表代行らによる幹部協議で、社民、国民新両党との連立協議の焦点の与党間の政策協議に関し、両党の党首級の入閣を求めたうえで、必要に応じて閣内で協議する枠組みを設ける方針を決めた。8日に再開する連立協議で両党に正式に提案する。民主党の人事では小沢氏の幹事長への起用と輿石東参院議員会長の続投を了承した。
 社民、国民新両党は民主党の要請を最終的には受け入れ、福島瑞穂党首、亀井静香代表がそれぞれ入閣する方向だ。(07:02)



連立協議の場を閣内に設けるか閣外に設けるかで、協議が続いているが、どうやら閣内で落ち着きそうだ。与党・内閣一元化の重要性については再三書いたが、ここで改めて連立協議の場ということを考えてみたい。

自公連立政権では、与野党の政策協議は内閣に入っていない幹事長同士で行われていた。そこに政策調整の実権があると、首相や内閣の打ち出した方針に対して、「党は聞いてない」とか「了承できない」といった反発が起こりやすい。彼らは別に内閣の人間ではないので、首相に従わなければならない必然性は無いからだ。麻生内閣では、首相の提案に対して、自民党や公明党の幹事長が平然と反対意見を述べて、いとも簡単に方針が覆されることが多々あった。

ところが政策協議の実権が閣僚同士の協議の場になると、こうは行かない。閣僚は内閣の一員であり、首相に指名されて首相を支えるべき立場である。閣外の幹事長というのは、「たまたま今協力関係を結んでいる別の政党の人」だが、閣僚は「首相の部下」である。これはぜんぜん違う。閣僚は首相の指示に従うか、それができなければ辞任すべき立場であり、首相が閣僚を罷免することもできる。別の党であっても、好き勝手に首相や内閣の方針を批判することはできない。

亀井氏は当初入閣せずに閣外で発言権を持つ腹づもりだったようである。いかにも自民党古参議員らしい発想であり、また彼らの勢力拡大のためには正しい戦略だが、それを許さなかったところに民主党の本気度が伺える。民主党が改革に本気で取り組むためには、社民・国民新の両党が閣外から政府を批判して足をひっぱることを絶対に許してはならない。

社民党と国民新党には、民主党の足を引っ張る強力な動機がある。
今回民主党が彼らと連立を組むほとんど唯一の理由は、参議院で過半数を取れていないことである。自公も民主も過半数を取っていない今の参院は、社民・国民新党にとって最高の状態である。しかし来夏の参院選で民主党が勝って過半数を取れば、社民・国民新の交渉力はゼロに等しくなる。仮に両党が議席を伸ばしても、である。民主党が過半数を取ってしまえば、社民党の議席数が5だろうと6だろうと、関係ない。
両党は、民主党に参院選であまり大勝してもらっては困るのだ。だから福島党首は、今回の衆院選でも「民主党一人勝ちは危険」と牽制していた。したがって両党は、民主党の勝ちが見えてきたら、政権を支えて埋没するよりは、適度に民主党を批判して独自色を出そうとするだろう。それにメディアが喜んで飛びつく。「同床異夢の連立内閣、早くも不協和音」といった見出しが目に浮かぶではないか。
民主党はそれが分かっているので、なるべく内閣に取り込んで押さえつけようとしている。おそらく、副大臣や政務官のポストもいくつか両党に提供するのではないだろうか。そうやって中に取り込んだほうが、押さえが利く。

社民党・国民新党としては、来年の参院選をにらんで、交渉ポジションが強い今のうちにどんな交渉をしておくのがベストな戦略なのか、なかなか面白いところである。純粋に党勢拡大だけを目的として考えるならば、目立つ主要閣僚ポストはほしいだろうが、目立たない副大臣などで送り込むよりは、閣外でフリーハンドを得て内閣と距離を取った方がよいかもしれない。

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Comment
まさにその通り
まさにその通りになりましたね。彗眼だな。
社民党は取り込まれたね。辻本さんが副大臣になったのは、社民党としては大失敗だろうな。もともとは、声が大きくて国民受けする人を外に置いて政府の批判をさせるために、彼女を国対委員長にしたんだろうに、福島さんがその意味をきちんと理解していなかったんじゃないか。
副大臣や政務官などもらわずに、来年の選挙協力の取り決めをしておけばよかったと思う。まあそれも難しい交渉だとは思うけど。

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