2009/10/04

構想日本の事業仕分け

構想日本」とは、行政刷新会議の事務局長に就任する旧大蔵省出身の加藤秀樹氏が立ち上げたシンクタンクであり、その看板事業の一つが「事業仕分け」である。

加藤氏の起用に関する新聞辞令が出て以来、構想日本には問い合わせが絶えなかったそうで、先週の金曜日に事業仕分けに関する説明があったので、それに参加してみた。

事業仕分けとは、様々な公的事業を必要なものと不必要なものに分け、必要なものはどこがやるべきか(国か地方か民間か、といった具合に)分けるプロセスである。行政のムダを省いて予算を捻出すると約束している民主党にとっては心強い切り札のような存在だ。と言ってもこの事業仕分け、複雑な理論や特別な秘訣があるわけではなく、事業の要否を判断する基準・ガイドラインようなものも作っていない。一つ一つの事業を丹念に見て、常識に照らして判断していくという、地道な作業であり、それを公開の場で行うというところがミソだそうだ。

加藤氏の講演は、ちょうど10年前に一度聞いたことがある。大学生の頃に参加した政策イベントに、構想日本を立ち上げて間もない加藤氏が講師として招かれたのである。講演の内容はほとんど忘れてしまったが、一つ、印象に残ったことがある。


当時から私は「霞ヶ関に対抗できる民間シンクタンクは可能か」という点に強い関心を持っていた。たった一人で大蔵省を飛び出してシンクタンクを作った彼が、圧倒的なリソースを持つ霞ヶ関には出せないバリューをどうやって出していくつもりなのだろうか。彼はまさにこの私の疑問、そしておそらくそれまでにも様々な人から何度も向けられたであろう疑問に、講演の終盤で触れたのである。


何かすごい秘策があるに違いない!それが今から開陳されるぞ!

私が期待に胸を膨らませて固唾を呑んだ瞬間に、彼が口にした言葉は、

「それは思いを強く持つことです」

だった。


「せ、精神論ですか・・・・。」


政策や改革とは、何かとても知的な作業であると思い込んでいた青い私は、その答えにずいぶんと落胆したものである。当時の私には、加藤氏は竹槍で戦闘機に突っ込むドン・キホーテのように映った。

しかし今になって思う。やはり大事なのは、ハートであり、志であり、覚悟だったのだ。

事業仕分けは、30-40人の「仕分け人」と呼ばれる人々(多くは自治体職員)が手弁当で集まって、自治体の予算を一つ一つ見ていく作業である。金はかかっていないし、特別なスキルも必要ない。しかし実にうまく設計されており、積み重ねていく中で、ノウハウが蓄積され、大きな効果が出せる仕組みになっている。

言うは易く、行うは難し。それをここまでやりぬき、実績を積み重ねることができたのは、着想や戦略の正しさもさることながら、やはり志があったからだろう。加藤さんは説明会の中で、ウサギとカメの寓話に触れた。大切なのは、地道な積み重ねと継続。
加藤さんと構想日本の方々には、是非とも、がんばっていただきたい。


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