2009/10/10

【読書】 英国大蔵省から見た日本

eikoku okurasho

英国大蔵省から見た日本
木原誠二
文春新書
2002年


財務省から英国大蔵省に出向した著者(その後自民党衆議院議員となり、現在は落選中)による、英日比較論。

特に第3章が、個人的には面白かった。イギリスの議院内閣制の眼目は議会多数派と内閣が一体となった権力集中にあるとこれまでにも述べてきたが、その概念がここでは「選挙による独裁 elective dictatorship」として紹介されている。現在、民主党は英国型政治システムを導入しようとしているので、その意味でも参考になる。今回政府に入れなかった民主党議員からは、自らの意見を反映させるチャネルが少ないとの不満が出ているが、これはイギリスにも共通する現象らしい。

現場の目からの話には、学術書とは異なる説得力があり、大変勉強になった。例えば日英の行政官のマインドの違いとして、英国の行政官は現政権に仕えることが職務と考えられているのに対し、日本では官僚は「全国民の奉仕者」と考えられており、それは一面の真実だが、官僚が政治家を「個別利益の代表」として軽視する風潮を助長しているとする考察などは、現職官僚(当時)ならではの視点で、鋭い。

民主党の統治機構改革がどんな方向に進んでいるのかを占う上で役に立つ一冊である。
読書 | Comments(0) | Trackback(0)
Comment

管理者のみに表示