2009/12/06

ミスリーディングな見出し - “4割が「子ども必要ない」=20~30歳代は6割-内閣府調査”

今日、意外なニュースが出て、あるSNSで多くの反響を読んでいた。

4割が「子ども必要ない」=20~30歳代は6割-内閣府調査

12月5日17時5分配信 時事通信

 内閣府は5日、男女共同参画に関する世論調査の結果を発表した。それによると、結婚しても必ずしも子どもを持つ必要はないと考える人は、2年前の前回調査に比べ6.0ポイント増の42.8%となり、1992年の調査開始以来最高となった。持つ必要があるとする人は同6.5ポイント減の52.9%だった。少子化の背景に、国民の家庭に対する意識変化があることを示した結果と言え、内閣府の担当者は「生き方の多様化が進んでいる」としている。
 調査は、10月1日から18日にかけて、全国の成人男女5000人を対象に個別面接方式で実施。有効回収率は64.8%だった。
 子どもを持つ必要はないとした人は、男性が38.7%、女性が46.4%だった。年齢別では、20歳代が63.0%、30歳代が59.0%と高く、若い世代ほど子どもを持つことにこだわらない傾向が浮き彫りになった。 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091205-00000078-jij-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?b=20091206-00000049-san-soci



この記事、見出しだけ見ると、「子供は別にほしくないと思っている人が42.8%」と読める。意外に高いと思った人が多いだろう。当たり前だ。実態は全然違うのだから。

まず記事を読んでみると、「結婚しても必ずしも子どもを持つ必要はないと考える人」が42.8%と書いてある。この「必要ない」というのが自分の希望なのか、それとも社会の一般論なのかで、意味するところは全然違う。

実際の質問を見てみると、その点が100%明確でないので、これは調査設計の問題でもある。以下の添付のように、これは4つの質問で一つのセットになっており、問題の質問はその(3)にある。


Q6〔回答票7〕 結婚,家庭等について,あなたの御意見をお伺いします。(1)から(4)までについて,この中から1つお答えください。

(1)結婚は個人の自由であるから,結婚してもしなくてもどちらでもよい
(42.8) (ア) 賛成
(22.3) (イ) どちらかといえば賛成
(18.0) (ウ) どちらかといえば反対
(14.8) (エ) 反対
(2.1) わからない

(2)夫は外で働き,妻は家庭を守るべきである
(13.8) (ア) 賛成
(31.0) (イ) どちらかといえば賛成
(28.7) (ウ) どちらかといえば反対
(23.4) (エ) 反対
(3.2) わからない

(3)結婚しても必ずしも子どもをもつ必要はない
(18.0) (ア) 賛成
(18.9) (イ) どちらかといえば賛成
(31.5) (ウ) どちらかといえば反対
(27.9) (エ) 反対
(3.8) わからない

4)結婚しても相手に満足できないときは離婚すればよい
(19.3) (ア) 賛成
(27.2) (イ) どちらかといえば賛成
(29.4) (ウ) どちらかといえば反対
(18.1) (エ) 反対
(6.0) わからない

http://www8.cao.go.jp/survey/h19/h19-danjyo/3.html
(※21年版はHPになかったので、19年版から拾ってきた)



どうだろう?

4つの質問を通して見たとき、(3)は、「自分に子供が必要かどうか」ではなく「みんなが子供が持つような社会が望ましいのか」という一般論を聞いているように読めるのではないか。「私は欲しいけど、子供を持たないという選択も個人の自由だよね」と考える人は、「(どちらかといえば)賛成」につけるのではないだろうか。

例えば(1)は明らかに、「あなたは結婚したいですか?」ではなく、「結婚しないという選択も社会の中で尊重されるべきですか?」と聞いている。そうでないと、ここに65%もの賛成が集まるわけがない。その流れで、(3)も多くの人が、「みんなが子供をもつことが望ましいですか?それとも持たないカップルがいてもいいですか」という意味に捉えて回答したと考えるのが、自然だろう。そう考えればこの42%はちっとも不思議ではない。

もう少し正確な報道を心がけてほしいものだ。

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