2011/11/28

【読書】 ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録



安宅産業、イトマン事件、銀行大合併、UFJ争奪戦、郵政民営化..高度成長期以降の日本の主だった経済事件にこれほど多く当事者として関わった人は、「不良債権と寝た男」の異名を付けられた著者をおいてほとんどいないだろう。名前はぼかしているが、後に不正会計が発覚する三洋電機についても、その何十年も前に既に売上の水増しのような操作を行なっていたことが明かされている。

郵政改革を後退させた政治家達に対しては、強い憤りとともに反論している。
東京駅前の中央郵便局跡地には高層ビルが完成しつつある。鳩山邦夫元総務大臣の主張で保存部分を増やした低層階は、今は覆われていて見ることができないが、権力をおもちゃにした大臣の愚行の証として、後世に語り継がれるのだろうか。

著者には権謀術数を駆使する妖怪のような印象を持っていたが、語られる内容は意外と常識的で真っ当なものだった。本には書けない黒い話もたくさんあっただろうし、その意味ではきれいごとを並べただけとも言えるが、批判を恐れずに矢面に立ち、著者なりの筋を通し続けるリーダーシップ、決断力、行動力により、日本経済に残した功績は大きかったと思う。

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